「ロゴ、Canvaで作っちゃダメですか?」
これ、けっこう聞かれます。
先に結論から言うと、できなくはないけど、長く使うロゴならやめといたほうがいい、というのが本音です。
わたし自身、普段の制作の9割はCanvaでやっています。
それでも、ロゴのときだけはイラレを開きます。ロゴ制作の依頼が来て、イラレデビューをして、少し触れるようになりました。
理由がちゃんとあって、それが今日いちばん書きたいことです。
先に結論:向き不向きの早見表
| Canva | Illustrator | |
|---|---|---|
| 得意なこと | 速い・きれい・簡単 | 拡大しても崩れない |
| 苦手なこと | 独占できない | 学習コスト・月額 |
| コスト | 無料〜 | 月額数千円 |
| 商標登録 | 基本できない | できる |
| 向いてる用途 | SNS・チラシ・資料 | ロゴ・看板・長く使うもの |
Canva:普段づかいなら、これで十分すぎる
正直に言うと、日常の制作でイラレを開く理由は、ほとんどありません。
SNSの画像、チラシ、資料、サムネイル。このあたりは全部Canvaで完結します。速いし、きれいだし。
「プロはイラレを使うべき」みたいな空気、昔はあったと思うんですけど。今はもう、そういう時代じゃないです。速く出せることのほうが、価値が高い場面はたくさんあるので。
しんどかったところ
強いて言えば、細かい調整の自由度は下がります。「あと1ミリだけ」みたいな詰め方をしたいとき、ちょっともどかしい。
でも、たいていの場面では気にならないレベルです。
で、なぜロゴだけイラレなのか
理由は2つあります。
理由1:ロゴは、大きくなったり小さくなったりする
ロゴって、名刺にも載るし、看板にもなるし、封筒にも入ります。
そう、いろんな大きさで使うんです。
拡大しても輪郭が崩れないデータでないと困るんですよ。Canvaから書き出した画像を看板サイズに引き伸ばすと、ぼやけます。
イラレで作るデータは、どれだけ拡大しても線がきれいなまま。「これから何年も、いろんなサイズで使うもの」だから、ここは譲れないんです。
理由2:Canvaで作ったロゴは、商標登録できない
こっちのほうが、たぶん重要です。
Canva公式が、はっきり書いています。
Canvaのテンプレートは誰でも使えるものなので、そこから作ったロゴに対して、あなたが持てる権利は「独占的なもの」にはなりません。だから商標として登録できない、と。
写真やイラストなどの素材も同じです。他のCanvaユーザーも同じ素材を自由に使えるので、「これはうちのものです」と主張できる状態にならないんですね。
(Canvaのヘルプセンターに「Canvaで作成したロゴの商標登録」というページがあります。気になる方は一度読んでみてください)
これ、何がこわいかというと。
ビジネスが軌道に乗ってきて、「そろそろ商標を取っておこうかな」と思ったときに、「あ、このロゴじゃダメだったのか」となることです。
ロゴを変えるのって、想像以上に大変です。
名刺、看板、パッケージ、SNS、ぜんぶ作り直し。
お客さまが覚えてくれた顔を、変えることにもなる。
最初の時点で選択肢を潰してしまうのは、もったいないなと思うんです。
ただし、抜け道はあります
Canvaでも、丸や四角などのシンプルな図形と、フォントだけを使って、ゼロからオリジナルを組み立てた場合は、登録できる可能性があるとされています。
逆に言うと、
- アイコンやイラスト素材を使った
- テンプレートをベースにした
- 色やフォントを変えただけ
これらは基本アウトです。「けっこうカスタマイズしたから大丈夫でしょ」は通用しないので、ここは注意です。
結局、あなたはどっちを使うべきか
判断はシンプルだと思っています。
Canvaでいい人
- とりあえず形にしたい
- 個人の活動・趣味の範囲
- あとで作り直してもいい
- 商標登録の予定はない
イラレ(かプロに依頼)にすべき人
- 会社・お店の看板を背負うロゴ
- 長く使うつもりがある
- いつか商標を取るかもしれない
- 印刷物や看板に大きく使う
「いつか商標を取るかもしれない」に少しでも心当たりがあるなら、最初からそっちで作っておくほうが、結果的にラクです。
最後に
Canvaは本当にいいツールです。わたしは毎日使っていますし、これがなかったら仕事が回りません。
ただ、道具には向いてる仕事と向いてない仕事があるというだけの話で。
ロゴは、これから何年も、あなたの顔として使うものです。そこだけは、ちょっと立ち止まって考えてもいいんじゃないかなと思います。
ではでは、また。
※この記事は、実際に使ったうえでの個人的な感想です。
※商標登録の可否については、最終的には特許庁の判断になります。心配な方は専門家にご相談ください。

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